サワーポメロ

読むな

2013/05/03

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練馬。

 




 

シュガー・ラッシュ(吹替/2D)@ユナイテッド・シネマとしまえん

 

早くもすべてのストーリーがWikipediaに書いてあるくらいの大名作。

オトナ帝国以来成し得ないと思われていた、子供は楽しめて大人は泣ける一本が完成した。

というか、同時上映の短編アニメ「紙ひこうき」の時点で既にガン泣きという状態。

終いにはグラフィック技術の進歩にまで感動して涙してしまうという次第。

1000円以上の価値、大アリ。長年ピクサーとの提携作品ばかりがヒットしてディズニー単独での作品はあまりヒットしていなかった印象だが、シュガー・ラッシュで一気に取り戻した。

 

サタデーナイトフィーバーを思わせるダンスシーンや、「(忘れた)とアルマゲドンが同時に来たというのか!」みたいなセリフがあったりして、そういう観点でも楽しめる。クール&ザ・ギャングのセレブレーションも流れる。

 

・差止めになった機械は、ゲーム機が熱を出しているイラストが書かれた赤い貼り紙がされるのだが、外界との隔てにこの貼り紙を貼るとゲーム内の世界が赤く照らされて緊迫感が増すという演出が巧みすぎる。

・「ターボする」等の用語がたびたび登場するが、それをきちんと解説し、ターボという名にも深い理由を付けている。解説もわかりやすくておそらく子供らにもすぐ伝わるだろう。個々のキャラクターの内情も深く設定されている。

・主人公ラルフの吹替は山寺宏一。タレント声優をやめてプロ中のプロに依頼したことが何を意味するのか、タレント声優のネームバリューに頼らなくてもいい作品だということか、出来の良い作品だからこそプロに演じてほしいのか?森三中やハリセンボンも声を充てているがエンドロール後のキャスト紹介を見ないとわからない。山寺宏一の声は安心して聞いていられる。山寺宏一はタレント声優の起用には意見を持っていることで有名である。

マリオカート、やはり我々に馴染みの深いレースゲームはマリオカートなのだが、マリオカートに出てきそうなファンシーなコース。特にヴァネロペが住んでいるコーラ瓶を模した隠しステージは凄い。メントスのような質感のラムネ菓子がつららのようにぶら下がっており、その下には沸々と煮えたぎるコーラの池。内壁を螺旋状のコースが囲み、脇にはジャンプ台もある。見ていてとても楽しいステージだ。

・手に汗握るレースシーン、一風変わってメタルギアのような雰囲気の銃撃ゲーム。グラフィックの違いと、大量の卵で埋め尽くされた暗い空間が映画「プロメテウス」を思い起こさせる。登場するゲームは架空ながら、本当にあるのではないかと思わせるくらい細かく、よく研究されている。

・マリオ、ソニック、メタルギア等のファンには堪らない小さなネタ有り。

・フィックス・イット・フェリックスの主人公フェリックスはなんでも修復できる魔法のハンマーを持っているが、コイツが面白い。物語にたびたび登場して狂言回しとして大活躍する。特にシュガー・ラッシュの世界の牢獄に幽閉されて脱出を試みるためにハンマーで鉄格子を叩いて逆に強化してしまうくだりは会場大ウケ。よく練られた完璧なシナリオだ。同じ狂言回しとして多くをフェリックスと共にする女軍曹も良い。一人だけ解像度が良いいためシュガー・ラッシュの世界観に合っていないのがスマブラみたいだ。

・ゲームセンターの店長が故障をいちいち「妻のようだ」と例える意味深な比喩がある。

 

その他音楽、構成、脚本、上映時間など、非の打ち所が全く無い完璧なエンターテイメント映画。

それがシュガー・ラッシュ。僕の文章力と単純な脳では苦言の呈しようが見つけられることができない。★★★★★。

 

 

今日はリンカーンも見る予定だったが寝坊したのでできなかった。カードも作ったので、今後は映画を見る際はここに来る。