2012/11/27
「レスラー」。
全編手持ちカメラでの撮影、ランディの背中を追うようなロングショットを多用。
これはダーレン・アロノフスキーの作風なのかもしれないが、
レスラーに関してはこの手法がドキュメンタリータッチのような演出に見えてランディに一層感情移入できた。
プロレスは所詮エンターテインメント。
華々しいリングの裏に潜む薬漬けの日々、ボロボロの肉体・精神、孤独。
虚偽のヒーロー、ランディ"ザ・ラム"ロビンソンの葛藤。
そして何よりも孤独との、孤独な戦い。
生のプロレスをマジで見たくなった。
一つ、物語をキッチリ終わらせてほしい派の僕は、リングコーナーからジャンプして終わる「結末は観客のご想像にお任せ」演出はややモヤっとか。
だが、娘とのダンスシーンやその後クズ感丸出しの絶縁シーンは思わず涙。
惣菜コーナーののれんをくぐるシーンにプロレス会場での歓声やリングアナの声を合わせてくる演出には心をエグられた。
久しぶりに良い作品を見られたので満足。
(「結末は観客のご想像にお任せ」演出はややモヤっとか。とか書いたけどよく考えたらあの展開でランディが死なないわけないし、そういう演出はむしろ良い方法だろ。)