サワーポメロ

読むな

9

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九段下に行った。


雨の中1時間弱並び、ようやく入った武道館。
階段を降り、廊下を歩く。会場に近づくにつれて増える警備員。スタッフ。バイトなのか何なのかよくわからない青年たち。
募金箱がポツンと点在してある。その隣ではニヤついた表情の一般女性。
芸能人の一人すらいやしない。
数秒の、流れ作業かのような時間の中で武道館内を観察した。


まず目に入るのは真っ白なセット。中島美嘉が歌っても違和感がないくらいの白さ。
そして大画面。嵐大野と自閉症の少年のドキュメントが映しだされている。
画面の左に出演者。小さすぎて全くわからない。その前に緑色の首をしたドでかいクレーンカメラがあって出演者を大きく隠す。
隣には巨大なボードに貼られた無数のFAX。あれは放送後どうなるのだろう。
カメラの後ろに普通のテレビ用カメラ。その近くにチャリティーTシャツを着たたくさんのスタッフが立って画面を眺めている。なんだか若い人ばかりだ。

そこから数メートル離れ、柵で区切られ、さらに柵を囲むように先程も書いた バイトなのか何なのかよくわからない青年たちが等間隔で立っている。
こちらを向いて、ニヤニヤしながらお礼を言っている。何のお礼だ。

上を見上げると、ちょうど出演者からよく見える位置、二階席と三階席の間ぐらいに巨大な電光掲示板。「嵐・大野が自閉症の少年と出会う」とか何とか表示されてあった。節電とは一体。

そして我々を見下すかのように無数に広がる観覧客。Tシャツの黄色が星に見える…プラネタリウムだ。明るいプラネタリウム

なぜ常に芸能人を配置しないのか。小一時間並んでるんだぞバカ野郎。

ベルトコンベアに乗り、募金工場を後にした。
雨でぬかるむ道。舗装されていない急な石段。泥がすごい。
途端に減る警備員。募金したら、ハイ帰れ!か。

偽善だの何だのって騒がれながらも、毎年こうやって金を搾取しているんだから とんでもない。募金工場恐るべし。

そのあとは楽しかった。